よこはまポジティブエイジング2025始動! 岡本純子さん講演に学ぶ“つながりの力”の大切さ

2025年度「よこはまポジティブエイジング事業」がいよいよ始動します。

8月27日(水)18時半から、関内の日本大通りにあるKosha33ホールにてキックオフイベンを開催し、約100名が集まりました。


会場の様子をレポートします。

2040年には3人に1人が高齢者になる時代に、健康づくりや生きがい・仲間づくり、フレイル予防に寄与する目的で、シニア世代と地域の企業・団体での地域貢献活動をつなぎ合わせ、新たな社会参加のきっかけをつくる横浜市のプログラムです。

プログラムは2段階にわかれ、地域活動に向けた学びや知識・スキルの棚卸しをする全3回の基礎講座を受講した後、地域の企業・団体での活動に参加する機会をマッチングします。

このキックオフイベントは、この事業の活動内容や基礎講座について知っていただくために開催しています。

今回、ゲストとして株式会社グローコム代表取締役社長の岡本 純子さんをお招きし、「つながりの力 ~これからの時代を生き抜くために必要な話し方のスキル~」というタイトルで講演をいただきました。

岡本さんはコミュニケーション戦略専門家で、世界最高の話し方を教える「伝説の家庭教師」です。

日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、1000人を超えるトップエリートの家庭教師として、プレゼン・スピーチを指導してきました。2018年には「世界一孤独な日本のオジサン」を出版し話題になりました。

岡本さんは孤独の問題について研究し、孤独が健康にあたえる悪影響について科学的データを示し、特に日本の男性は会社以外の繋がりが少なく、退職後に孤立しやすい傾向があるといいます。

日本が孤独大国であるのは、諸外国と比べて会社と家族以外の第3の場所が少ないことや、孤独を美化したり他人に迷惑かけていけないという自己責任の文化、さらに、学校でコミュニケーションを学ぶ機会が少ないからだと指摘しました。

講義の後半では、人とつながる雑談術について実践的なアドバイスがありました。

雑談が苦手な理由として「何を話していいのかわからない」という点をあげ、「質問」の重要性を訴えました。1つの質問を深掘りしながら、相手の話を聞いていき、話していて楽しい共通のトピックを探るのがよいそうです。

最後は実践のワークショップ。
5人程度のグループに分かれて時間内に5つの共通点を見つけます。さっきまで知らないもの同士だったみなさんも和気あいあい、質問を投げかけあって、あちこちから笑い声が上がっていました。

岡本さんは、ちょっとしたお喋りができる能力を身につけると幸福度がグッとあがるので、どんどん実践していきましょうと締めくくりました。

後半では、昨年度この事業に参加された受講生からこれから受講するみなさんにむけて昨年度の経験をお話しいただきました。

佐生健司氏は65歳で退職後、コミュニティハウスでのスタッフ業務をへて、昨年のよこはまポジティブエンジング事業に参加されました。都筑区の「認定NPO法人あっとほーむ」で子どもたちと一緒に「おゆずり会」を企画。徐々に信頼関係ができていき、子どもたちの成長が見られたことに喜びを感じたそうです。

本事業を企画運営する関内イノベーションイニシアティブ株式会社の治田との対話では、異なるキャリアを積んできた人と協働する価値や、人とつながることが得られる充実感について触れていました。

ちなみに、ポジティブエイジング事業では、佐生さんのようなOB・OGの方が講座のサポートや交流会の企画等で活躍しています。今回のイベントでも受付や誘導係として参加されています。

継続的に関わりの機会を設けることで、仲間に出会えるコミュニティーをがはぐくまれています。


終了後のアンケートをみると「満足・とても満足」が80%をしめました。

・「雑談の仕方に学びがあったので、もっとグループワークをしてみたいと思いました」

・「2024年度修了者の方のお話は具体的で説得力がありました」

など前向きな意見が多く、意欲の高さを感じました。

9月から、いよいよ2025年度の講座がスタートします。新しい受講生のみなさんとお会いできるのを楽しみにしています。

よこはまポジティブエイジング

「よこはまポジティブエイジング」は、シニア世代と地域の企業・団体での地域貢献活動をつなぎ合わせるプログラム。 基礎講座を受講した後、個人やグループで地域の企業・団体での活動に参加する機会をマッチングします。